中国茶(台湾茶)の倭倖
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台湾茶の難しさ 


今日はニューヨークでブリザード注意報が発表され、地下鉄など一部交通機関でサービス停止や縮小運転が行われました。

久しぶりに雪が、というか雹が降り、道を歩いていて顔に当たって痛かったです。
今年は暖冬の様ですが、連日氷点下が普通の状態で、非常に寒いです。

いつも台湾茶をいれて飲んでいます。2リットル程度の耐熱ピッチャーに茶葉を入れておいて、熱湯をなみなみと注ぎ、しばらく置いて粗熱をとってから、水を入れておいたもっと大きなピッチャーに移します。

たくさん飲むのと、耐熱のピッチャーで大きなものが見つからない(やかんも大きなものが無い)のでいつもは水で薄めているわけです。今日はふと思いついて、薄めないでそのまま飲んでみました。

ローテーションとしては、木柵鉄観音、高山茶、中火の凍頂烏龍茶、東方美人、文山包種茶、です。順番に飲んでいるつもりなのですが、気づくと高山茶が一番減っていました。飲みやすいからでしょうか。

数ヶ月経った今、いろいろと気づいたことがあります。


1.淹れ立てにはかなわない
   
  自然に冷まして、水を加えて、冷蔵庫で保存しつつ飲んでいますが、たまに普通に淹れ立てを飲むと、ああやっぱり淹れ立ては違うなあと思います。特に、これは私だけかもしれませんが、東方美人は温かいほうが断然おいしいと思います。温度の問題と舌の感じる感度の問題もあるでしょうが、香りがまだ残っている感じがします。さらに言えば、熱湯を注いだ瞬間に立ち上る香りは一番だと思います。軽い香りなのですぐに飛んでしまうのでしょうか。

2.おいしさがわかるのに時間がかかる

  これは個人差があります。たとえば私の妻は、東方美人と中火、木柵鉄観音の違いが最初わからなかったようです。知識のある人、飲んだことのある人なら、ああこれはあれだなとピンと来るのでしょうが、飲んだことの無い人、飲み慣れていない人にとっては、わかりにくいお茶かもしれません。
  初めて飲む人でも、ああこのお茶は繊細な味がしますね、と言って来たりして、鋭いコメントを発したりします。

3.日本茶との違い

  日本人でお茶といえば日本の緑茶です。日本人でもお茶にこだわっている人、玉露を飲んだことのある人はそう多くないのではないでしょうか。味の違いがわかる人もそれほど多くいるとは思えません。でも、親しみがある分、これは高級なお茶じゃないですかと気づく人は多いかもしれません。
  台湾茶はどうでしょうか。まず、日本茶と何がちがうかというと、それは香りと味の違いです。日本茶は香りよりも味が大事です。さわやかな苦味と旨み。寿司屋で飲むお茶は苦味がなければ落ち着かないのが日本人ではないでしょうか。また、玉露などは旨みが最高潮に達して、違うジャンルのお茶のように感じた経験があります。
  台湾茶は、香り重視です。あとは、炊き立てのごはんを口に含んだときのように、唾がじゅわっと出てきて舌全体に甘みを感じることも大切です。苦味はほぼありません。日本人は、お茶を飲むときに、苦味と旨みを想像しながら飲むので、拍子抜けをして、よくわからないまま終わることが多いと思います。頭で飲むわけではないので、飲みなれてこないとなかなかわかりません。

4.親しみがない

  台湾茶を飲んだことがある人はそれほど多くないでしょう。台湾へいったことのある人なら、飲んでいるでしょうが、普通は初めてという人が多いです。接することが無い物には愛着はわきません。たまに台湾人と話すときには台湾茶の話をするのですが、若い台湾人ですら、お茶を飲まない人が多いです。

つらつらと書いてしまいましたが、先ほど、中火の凍頂を飲んだのです。淹れてから少しおいて冷ましたものをのんだのですが、香りがぶわっと口の中に広がり、同時にかすかな甘みをどっしりと感じ、唾が出てきて喉が実際に潤うのがわかります。おいしいなあと思わず口に出してしまいます。

この中火のお茶は、高山茶系統のさわやかさやどっしりとした甘みを持ちつつ、木柵鉄観音のようなきりっとしたシャープさも兼ね備えている、なんとも形容しがたいお茶なのです。そうです、日本には昔も今も普及していないお茶なので、形容する日本語がないのでしょう。

長文になりましたが、この中火のようなお茶を飲んで、台湾茶の世界を楽しんでもらえたらと思います。



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